April 10, 2016
保育園の小さな家
今日は先日竣工した「保育園の小さな家」を撮影してきました。
写真は松井陽介さんに撮影して頂きました。
ありがとうございます!
改修前の保育室。
トイレの個数を増やすという要望に対し、保育室のコーナー部にトイレをつくる提案をした理由は、
・床が二重床で配管工事が施工しやすいこと
・給水管や最終桝が近いこと
・開口部が延焼ラインにかかっていないため、サッシが交換しやすいこと
などです。
一方で、保育室の中に「いかにもトイレ」という部屋をつくることは保育環境として望ましくなく、また、部屋に圧迫感を与えてしまうことが懸念されました。
それらを解決するため、模型を用いて形状やボリューム、窓、素材の検討を行いました。
最終的には、屋根を削った家具のようなスケールのボリュームとし、壁に大きな丸窓を開ける案に決定しました。
屋根を削ることで、既設の天井エアコンと屋根の干渉を避けています。
子どもの目線では、立面が顔のように見えたり、小鳥小屋?のように見えるかもしれません。
外壁は不燃杉無垢材の木目をうっすらと残して塗装し、柔らかい表情を持たせました。
壁内には吸音材を入れています。また、アーチ型の入口には引き込み戸が付いています。
外壁に設けた丸鏡により、不思議な奥行感が生まれます。
中に入ると、光の当たり方によってキラキラと光るタイルが子どもの目線より上に広がります。
小さな部屋の一面に大きな窓があるので、とても明るく、広く感じます。
杉材もそうですが、思わず触りたくなるような質感を持つ素材を選び、子どもの好奇心や探求心をかきたてることを意図しました。
既存のトイレ2室も改修しています。
洋便器増設、ブースや床材等を新設し、明るく清潔感のあるトイレに改修しました。